2025/10/10 16:01

先日。
ナカガワクチガネさんとトレンドカラーの話をした際に、JAFCAとUNIQLOの話をした。
もっぱら。
今年らしい雰囲気を視覚的に表現するならってコトが主旨ではあったが、良くも悪くもそうした流行り廃りから距離のある店で、おそらくそこにニーズを求めてないだろうデザイナーが頭を付き合わせて駄弁ってのことだから、大事なコトではあるけどもやはり与太の類だろうと思われる。
年毎に発信されるトレンドにおいても、変わらずにあるモノはあるわけで。
例えば、何かしらJAFCAのカラーパレットにあるインディゴ。
メンズファッションの基礎色だからまぁ当然であるし、カジュアルではデニムをはじめ普遍的に馴染みがあるのも疑いはない。
染料的にも純度の高いものを精製できるようになってから、随分歴史も積み上がっているので振れがない。
それでも。
素材の性質や染めの技量、後加工や経年変化によるフェード具合なども含め一様には収まらず。
その良し悪しを蘊蓄含蓄を駆使して語られるのは、やはり藍にしてもデニムしても産地に名を連ねてるからのことだからですかね。
発色の加減から生地の表情や肌あたりの強弱のバランス、もちろんデザインの良さなど洋服として求められる期待値が高いかもしれません。
そうした細かい正解がたくさんあるスタンダードの中で、“アメリカ的なもの”と“ヨーロッパ的なもの”それから”日本的なもの”を内包し、そして奥行きを感じるニッチな仕上がりのPETTYのデニムが入荷しています。




Wide Denim Pants ( Col. indigo, Size. 1, 2 ) price. 43780yen with tax / PETTY

トルコ産のオーガニックコットンを広島で旧式の機を使い製織し、岡山の縫製工場で製作した、15ozのデニム。
縦横ともにスラブの糸を張ることで、懐かしいゴツさと風合いに素材の良質さを肌ざわりで体感できます。
画像はワンウォッシュしたもの。
これから穿いて洗ってを繰り返すことでより穿きやすく馴染んでいくとともに。
スラブ糸による色の濃淡や糸が解撚し綾の表情が変わる過程へインディゴのフェードが加わること、それから随所に生じる環縫いによるパッカリングが楽しみです。



フロントデザインで目を引くのは、L字と玉縁を掛け合わせたような特徴的なポケットディテール。
サイドからのアクセスが良く、手を開いた状態で手首までスッポリ収まる深さがあります。
ボタンはシンプルなドーナツボタンにし、要所の補強はリベットではなく閂を施すことで印象が強面に振れすぎない。
このあたりのバランスがPETTYらしい。



ヒップは大きめの底を尖らせたナス型のパッチポケット。
ダーツにかぶるように配置されたポケットは気持ち角度がとってあり、他のトラウザーズと比べてポケットの存在感はしっかりと出しつつも着用時にシルエットに綺麗に収まるように設計されている。
フロントポケットとの高さのバランスも面白い。
力のかかる縫い始めと終わりに角張ったゴツい関。
ベルトループもだけども、15ozの分厚い生地を5重6重と折重ねた箇所の縫製がとても良く、ディテールのラインがバシッと揃うあたり、PETTYを手掛ける工場の技量の高さが伺えます。





裾の縫い代までの高さは3.5cm、チノパンやトラウザーズで見かける幅感。
ロールアップすると、シャトルらしいセルビッチが顔を出します。
このロールアップした時の表情も1cm幅の三つ折りとは少し違った見え方です。





スラブ糸の撚りの強いところと弱いところで、インディゴの強さが変わるのでざらっとした不均一で荒い表情。
それに対して、ウエストから腰、腿のラインがスッキリとした曲線を描き裾のボリュームのバランスも含めてとても綺麗なシルエットです。
ウエストを絞った時もウエスト周りのポケットの収まりが良く、トラッドなジャケットとのスタイリングが組みやすそう。
生地の重さやパンツのボリュームがどっしりとあるので、これからのシーズンにコートやニットでトップスのボリュームを出した時や、ブーツを足元に持ってきた時に負けない迫力を備えます。

とても格好がつくPETTYのデニムパンツ。
デニムに一家言ある方にこそ、ぜひ店頭で試して気持ちを満たしてください。



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RÜCKWÄRTS
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