ALTT MADE で、古い時代の空気感や存在感をディテールとして出したい時に、ヴィンテージの軍幕やマットレスをリメイクした洋服を縫っている。

なかでも。

フランス軍のマットレスカバーをリメイクした、フィッシャーマンスモックは良く袖を通す。

今のモノとは明確に違う存在感が好きだ。

ALTT MADE のリメイクを中心としたコレクションから、少し古い時代のフランスのベージュの軍幕と、ポーランドとルーマニアのカーキの軍幕でパッチワークしたリメイクのスノーパーカーをそれぞれ。

あと、ルーマニアの青い軍幕をリメイクしたショールカラーのカバーオールを入荷した。

「青いのはカッコいいですよ、最近少なくなって若干取合いです。」との言葉通り。

瑠璃紺に近い深みのある青。

軍幕の持つタフな生地。

それが経年変化によって、やわこく毛羽のたった状態で洋服として纏まっているのはとてもカッコいい。

詳しくはないモノだから。

ざっくり調べてみると、この青い軍幕は洋上迷彩の一種らしい。

古いスノーパーカーが白単色なのと同じ、単色迷彩というやつだろう。

この辺りは少し昔に、藤原さんから一通りレクチャーを受けた気がせんでもない。

近年だと。

いわゆる分割迷彩の兵装は、船上で役に立たない上に落水時に発見され難いため廃止されたらしい。

本来の迷彩として正しく機能してるように思うが、使い勝手が悪かったことは間違いないのだろう。

さてコレは、洋上迷彩と言うが軍幕だし。

筏の上に張るのでは無い…よね？

と思うに。

海っペリが暗く、暗視装置の無かった時代。

例えば。

ヘミングウェイの頃の沿岸警備隊や、キューブリックの頃の河川哨戒艇に積み込まれていて、休息や物資置き場として使われていたんではなかろうか。

ルーマニア軍だから、キューブリックはワンチャンあるなとか思うと楽しい。

肝心の洋服としては。

独特のシルエットとーボリュームに対して着用時の収まりの良さ。

このギャップがダントツの魅力。

そのボリュームに対して。

小ぶりの襟とメタル釦のコントラストの付け方が面白く。

閉じると打ち合さる襟や、四角いズドンとした袖幅は和装ぽくも見える。

こうなると。

生地の来歴はどこへやら。

どの時代やらどこの国やらを気にせず。

ありのままの個性を、今から自分が着る洋服として楽しんで貰えれば良いと思うし。

ヴィンテージのリメイクをディテールとして楽しむとは、こう言うことだろうなと強く思う。

暮れかかった海色の洋服を。

ティッペラリイと口ぶえを吹く気軽さで着てはどうだろう。

週末お待ちしています。

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